5

「ばかたれ」
「うぅ」
「いや、馬鹿なのは俺も同じか」

富雪に悟られないように余裕を見せていたつもりだが彼は俺を見抜いていた。
気遣っていたつもりが気遣われていたなんて情けない。
だがそれ以上に富雪の気持ちが嬉しかった。
(俺だって出来れば壊してしまいたいさ)
不安に思いながらもどこかで甘い蜜のような響きに惹かれている。
それを占めるのは独占欲と征服欲と限りない愛情があるゆえだ。

「じゃあちょこっと意地悪になってもいい?」

俺は苦笑しながら彼の体を抱き締めた。
すると富雪は口を膨らませる。

「…って、雪一さんはいつも意地悪でしょ」
「確かに」
「もー!」
「じゃあお言葉に甘えて富雪の体を壊しちゃおうかな」
「んっ、雪一さ…」

そのまま富雪の片足を持ち上げると挿入の体勢をとった。
そして彼のアナルにペニスを擦り付ける。

「ん、ふぅ…っ」

途端に富雪は大人しくなり唇を噛み締めて挿入の衝撃に耐えようとしていた。
肌に触れた手が僅かに強張っている。
だから落ち着かせるように再度頭を撫でた。

「壊れるぐらい抱かせてくれ」
「ひゃぅっっ!」

俺のペニスは根元まで一気に呑み込まれた。
さすがにあれだけ馴らせば富雪の痛みは少ないはず。
むしろ彼の口から漏れたのは苦痛の声ではなく甘い嬌声であった。

「はぁっ、みみもとで…そんなこと言われたらっ…おれ」
「ん、富雪っ」
「それ…以上っ何も…言えないじゃんかっ…」

彼は不服そうに呟きながらも緩んだ口元を抑えられなかった。
俺は富雪の体を壁に押し付けると腸内の感触に浸る。
彼のアナルは口内と違い肉感的で弾力があった。
普段は小さな穴が俺の肉棒を受け入れようと限界まで広がっている。
富雪の性器も挿入で萎えるどころかピンと天を仰ぎ汁を垂らしていた。

「っ、もう少し力抜けるか?」
「はぁっ、ん…無理…ぃ」

ギチギチに入り込んだそこはキツく腰一つ動かすのも難しい状態であった。
だが富雪は挿入だけで手一杯な為、自らが力を抜く方法を知らない。
浅い呼吸が狭い浴室に木霊する。
(このままじゃ身動きもままならないな)
そう思って彼のペニスに手を這わす。

「ひゃぁ…ぅぅっ…!」

すると富雪は飛び上がりそうな勢いで喘いだ。
なにせもう爆発寸前のペニスである。
むしろよくイかなかったと褒めるべきであろうか。

「やぁ…っ、おれだめ…んんっ、ふ」
「皮剥いてやるから」
「はぁっ…あ、あぁっ…んっ」

俺は側にあったボディソープを手に取ると富雪のペニスに手をかけた。
途端に彼のアナルは柔らかく解れていく。
というより意識がペニスに移ったと言った方がいいのかもしれない。

「んぅっ、く…っはぁぁ…だめっ、ちんことおしりっだめ…っぇ…!」

富雪のペニスを扱きながらアナルへの律動を開始した。
最初はゆっくりと馴染ませるようにねっとり腰を突き動かす。
彼は激しく出し入れするよりこうして掻き回す方が弱かった。

「やっ、やっぱりまだ…皮はっ痛ぅ…はぁ…んっ」
「あともう少しだから」
「んっぅ…ち…んこっ敏感なのっ…優しく、してっ」

そういって甘えるように俺の胸元で頬擦りする。
富雪のペニスは泡だってヌルヌルになっていた。
それでも普段皮を被っている亀頭は隠れたまま姿を現そうとしない。
俺はヌメった指で皮の内部へ突っ込んだ。

「ふやぁあっ!」

それが彼にとっては物凄い衝撃だったのか体をビクビクっと震え上がらせた。
今回はさすがにもたなかったのか少しだけ精液を漏らしている。

「だめっ…だめぇっ、そこっ…だめっ!」

皮の中は敏感そのものでちょっとでも弄くろうものなら泣いてよがった。
まだピンク色の未熟な性器が俺の手の中でプルプルと震えている。
それが直結してアナルに伝わるせいか程よい締め付けが俺のペニスを包み込んでいた。
彼の体はどこもかしこも可愛くて嫌になる。

「はぁ…く、ぅ」

それこそ本当に壊してしまいそうだ。
廃人になって俺だけのモノに出来たら、なんて健全な大人の考える事ではない。
健やかな成長を願いそれを微笑ましく思っているはずなのにどこか漠然とした不安は消えなかった。
それは彼がもっと大人になって視野が開けたら捨てられるのは俺の方だと気付いていたからだ。
(俺は富雪より長く生きている分、ずる賢いのかもしれない)

「富雪きもちい?」
「ん、んっ…はぁっ、きもちい…よぅっ」
「じゃあもっともっと気持ち良くなってよ」
「あぁっ、んぅ…ふぁっ」
「もっと気持ちいいとこ見せてよ」

これが打算的な行為なのか、互いを求めた結果なのかは判らない。
調教して快楽を教え込むなんてAVでもあるまいしありえない。
何よりそんな簡単に人を懐柔する事が可能なハズはない。
それでも富雪の体に痕を残したいと思うのは男の性なのだろうか。
俺は喘ぎ悶える富雪を見ながらふとそんな事を思う。
当の彼自身は快感に冒され恍惚となっていた。
俺だけが知る表情である。
――それはやはり愛しかった。
普段は大人ぶって冷静さを装っても熱い気持ちは隠せない。
常識を捨ててまで得た気持ちは自分が思うよりずっと強くて大きかった。
だから余計な思考は全て隅に置いておこうと思う。
今はただ無心になって富雪の体を求めていたかった。

「ひああぁ、あぁ――っ…んっ!」
「っぅ」

俺は富雪のペニスに被った皮を一気に剥いた。
露出に慣れない敏感な亀頭が顔を出す。
するとその刺激に彼は目を見開くと果ててしまった。
同時にアナルはキツク締め上げられ俺の性器も搾り取られそうになる。
ぐっと我慢しながら富雪の額にキスをすると彼の体が震えて粟立っていた。
ぴゅっぴゅっと飛び出た精液は三回目でも勢いを失わず俺の腹筋を汚す。

「ふはぁ…ぁ…ぁ…」

片足で立っていた富雪だがその力はほとんど残っていなかった。
俺が支えていなければ体は崩れ落ちていただろう。
彼の重さが体に伝わってきてぎゅっと抱き締めた。

「んぅっ!」

だが富雪がイっても俺のペニスはまだまだ元気である。
一度抜いていたせいか未だに余裕があった。

「くぅ…っ、雪一さ…っ」
「はぁっ…いいか?富雪」
「ん、いいよ?いっぱいして」

すると富雪は淡い微笑みを見せながら俺に寄り添った。
その懐きようが可愛くて腰に添えた手を引き寄せる。
彼のアナルは一度果てたせいかとろとろに蕩けていた。
俺はその甘い秘穴に肉棒を突き立てる。

「くはっ…んんっく…ひぅっ…!」

ヌメったそこは柔軟で暖かい。
俺はカリで擦り上げるとひたすら奥を突っついた。
その度に富雪はガクガクと体を震わせて鳴いている。
勃起をしていないはずなのに先端から汁を垂れ流しては周囲に飛び散らせていた。
それをトコロテンというのかは知らないが彼自身が満足そうだからいい。
俺もアナルの気持ち良さに酔いしれていた。
女性の膣とは違う不思議な感触が纏わり付く。
お尻の穴は検温場所であることをみるに人間の温度を感じられる場所なのだろう。
ならこの温かさは富雪自身の持っている熱なのだ。
それを思うと余計に愛しくてその熱を味わおうとしてしまう。

「やっ…んぅ、深いっ…!」

体位の関係上、密着度が半端なかった。
富雪は俺の胸元で喘ぎ続けている。
魘される様に開いた唇からは飲み込めなかった涎が垂れていた。
それを拭う気力もなくいいように貫かれている。
逃げることも許されない状況下では俺の玩具に成り下がる他なかった。
力を増して抜き差しは激しくなる。
引こうとすれば惜しむように締め付けられ穴がヒクヒクと物欲しげに蠢いた。
浴室の明かりに丸見えな下半身はその異常さを惜しげもなく晒している。
赤黒い肉棒が小さな穴を陵辱している様子が二人の間ではっきり見えていた。
富雪は恥ずかしがりながらも目を離せずにいる。

「はぁっ…くっ、おれっおれっ…」
「見える?」
「あ、あぁ…ひぅ…見ちゃ、だめっ…」

するとそういって俺に見られない様に自分の股間を手で隠した。
嫌だと首を振りながらも興奮しているのか息が荒い。

「恥ずかしいのか」
「ん、んっんぅ…ら…っておれの穴っ…変になってるっ」
「そうか」

だから今度は勢い良く根元まで打ち付けた。

「あぁっ…あぁぅ…くぅ…んっ」

押しのけられた手がぷるぷると震えている。
だがどう考えても俺の方が優勢であって富雪に拒む術はなかった。
彼はあまりの刺激に胸を反らせて顎を上げた。
俺からは目を伏せたまま甲高い声で鳴く富雪が見える。
まつ毛には涙の雫が付いて光っていた。
随分とだらしない顔がいやらしく見えてゴクリと唾を飲み込む。
しかし身長差から唇にキスが出来なくてもどかしかった。
そんな人の気をしらず喘ぎ続ける富雪は誘うような赤い舌を突き出している。

「ひぁっ…やぁ、あぁっんんっ…」

だから俺は床に着いていた片足まで持ち上げると抱き上げた。
途端に近付いた二人は暗黙の了解とでもいうかのように唇を重ねる。

「ん、ふ…っんぅ、ちゅ…っぅ…ふぅ」

柔らかな舌に吸い付くと彼は鼻に抜けるような声を放った。
富雪は嬉しそうに舌を絡めて俺の首に手を回す。
彼の小さな手が俺の髪に触れて心地良く梳いてくれた。
ここまで積極的に絡み合おうとすることは珍しく俺の熱も上がっていく。
だからアナルを犯しながら富雪の唇を奪い続けた。
散々キスをしたのに物足りなくて焦燥としていた。
とっくに風呂の湯は溢れて零れている。
足元には流れていくお湯がびちゃびちゃと音を立てていたが気にも留めなかった。
俺は富雪の体を貪る事しか考えていなかったのである。

「ん…ぅっ、はぁ、もっとっ…きすっ、して…っ」
「はぁっ富雪、富雪っ」
「ふゃぁ…っ、雪一さ…ぁんっ…!」

涎でベトベトの口元を獣の様に舐めまくると飽き足らずに口付ける。
もはや口内にあるのが俺の唾液なのか富雪のなのか判別出来なかった。
頭が痺れて何も考えられない。
俺達はまるで本能の赴くままに欲していた。
その姿は端から見れば滑稽に映るかもしれない。
だが興奮し快楽に貪欲だった俺と富雪はそれすら自らの餌となり煽っていた。

「富雪っ…」
「わっ…っ…!」

たまらず彼を降ろすと強引に後ろを向かせてそのまま挿入する。

「はぁぁ…あっっ」

バックからだと向きが変わったせいか突き上げる場所が違った。
突然変なところを突かれた富雪は足を震わせて壁にしがみ付く。
後ろからだと尚更少年の華奢な体が見て取れた。
細い腰に愛らしいお尻がなんとも悩ましげである。

「くぅ…んっ…」

俺は我慢できずに富雪に覆い被さると無防備に晒した首筋から背中へと吸い付いた。
その度に富雪は体を捩らせて喘ぎ海老反りになる。
俺は飽きもせずに少年の体を食い尽くした。
おかげで気付けば富雪の背中は俺のキスマークでいっぱいになっている。
余計に卑猥さを増した体に気持ちは満たされていた。
富雪はそれを知らずにあんあん喘いでいる。
だから俺は悪戯っ子のように笑うと首筋を甘く噛んだ。

「ひゃぁ――……!!」

すると彼はひと際甲高い声をあげた。
それを象徴するかのように富雪の下半身はぼろぼろでペニスから精液を垂れ流している始末である。

「に…ゃぁ、噛んじゃ…やだぁっ…んぅっ、も…噛み付くな…ぁっ」
「可愛い。富雪噛まれると気持ちよくなっちゃうんだ」
「っ…っくぅんっ」

すると富雪は顔を真っ赤にして喉を震わせた。
まるで猫のように甘い泣き声である。

「や…可愛いなんて、滅多に言わない…くせにっ」
「あれ?そうだっけ?」
「雪一さ…そ…いうとこは疎いっ…から」
「うーむ。お前も余裕がないくせに中々言うね」
「うるさ…っ」

だが実際に考えてみると可愛いなんて思っても口に出したことはなかった。
なにせ――

「思っていても言わなかっただけだよ。だって富雪は男じゃん」
「はぅ…」
「男が男に可愛いなんて言われても嬉しくないと思ってさ」
「そりゃ…あ」
「だろ?」

だからなるべく言葉を選んできたつもりだった。
だけど富雪は泣きそうな顔で俺を見る。

「でもっだって…。そりゃオレだって普段から可愛いなんて言われたら嫌だけど…」
「でしょう?」
「それでもやっぱり…こういう時に言われたらっ…その」
「ん?」
「う、嬉しいよ…だって好きな人だもん。嬉しくないわけないじゃんっ」

ヤケクソ気味に言い放った富雪は俯いたまま目を瞑っていた。
その複雑な心中が垣間見えた気がしてハッとした。
もしかしたら様々なものを背負っていたのは俺だけでなく彼自身も同じなのかもしれない。
それを思うと富雪に対する愛しさが募る。

「可愛い」
「ん、また言った~」
「仕方がないだろ。本当に可愛いんだから」
「はぁっ…く、もう…っ」

富雪は可愛いと言うたびに反応を示した。
アナルをきゅきゅっと締め付ける。
本人はどんなに文句を言ってもやはり嬉しいらしい。
だから俺は律動を再開させた。
彼の緩みっぱなしの口元から喘ぎ声が聞こえる。
アナルは程よく小刻みに震えながら俺の責めを受け入れた。
カリが引っかかる度に富雪の体が揺れる。
内壁が擦れてイイ部分に当たるのだろう。
さっきの可愛らしさは一変して妖艶な富雪の横顔を見つめながら犯す。

「や、もう立って…られなっ…あぁっ…」

富雪が立っていられなくなりへたり込むように四つんばいになってもそれは変わらなかった。
深く突き刺さった杭が彼の理性を奪っていく。
辱められ続けた彼は床にへばり付きながら喘いでいた。
パンパンと互いの体が当たる音で室内がいっぱいになる。
俺は富雪の細い腰を掴みながらこねくり回した。
内壁のありとあらゆる部分にこすり付けては腸内の締め付けに恍惚とする。
搾り取られるような独特の感触に魅了され馬鹿みたいに腰を突き上げた。
浅ましいその姿にいつしか汗が頬を流れる。
ただでさえ湯気で蒸された浴室は暑かったのに激しい行為に体温は上昇した。
ドクドクと脈を打つ俺のペニスは富雪の腸内に射精しようと疼いていた。
(早く出したい。ぶちまけたい)
荒い呼吸の中でそれだけを考え動き続ける。
それこそ野生の本能ではないのか。
俺はあまりの快楽に逃げようとする富雪を押さえつけて激しく突き立てた。

「かはぁっ…くっ…ぅ…ふぁっ」

ぐじゅぐじゅな穴は泡立ち随分淫猥な姿をしている。
ねじ込むように強引な肉棒は容赦なく彼の体を虐めていた。
全身の力が入らずケツだけを高く上げた格好が尚更そそる。
あとは余計な言葉なんか出てこなくて二人はイクことしか考えていなかった。

「くっ――」
「ああぁぁあっ……!!」

すると俺と富雪はほぼ同時に上り詰めた。
というより彼は腸内射精された衝撃にオーガズムに達した。

「や…は…くぅ、熱い…」
「…ふ、まだダメ。全部出させて…」
「あぁっ…んっ、耳元でやめっ…またおれっ…ひぅっ」

不自然に震えている富雪の体は長くその快感を味わっていた。
男のくせにお尻でイクことを覚えるとそうなるらしい。
実際に彼のペニスは使い物になっていなかった。
へたれたままちょろちょろと精液を垂れ流している。

「ぅ…っん、ぜんぶ…出す…の?」
「ん」
「はぅっ、あはぁ…」

俺は搾り取られるがままに全てを中に出した。
最後の一滴まで抜かずに飲ませるとようやく体を離す。
だが富雪は未だに力が入らずそのままの格好でいた。

「はぁ…はぁ…いっぱい…」

ここから見ると富雪の恥ずかしい部分が丸見えである。
むしろこんな時でなければ見せろと言っても見せてくれないだろう。
だから俺は食い入るようにそのさまを見続けた。

「見…んぅ…や…ぁっ…」

赤く捲れた尻の窄みはヒクヒクしている。
しばらくすれば俺の放った精液が逆流して戻ってきた。
穴から漏れた汁は彼の太ももを伝い床へと流れ落ちる。

「んくぅ…っ…」

富雪のペニスやたまも見えていた。
勃起せずにイったソレは未だに先端から精液を垂らしている。
俺の精液をアナルから垂らし、自身のも垂らして二箇所から溢れさせている。
その様子は異常なほどに卑猥で下品であった。
それを自分で判っているのか富雪は顔を真っ赤にしたままへたれ込んでいる。
むしろそんな羞恥にすら彼は感じていたのかもしれない。
何せ誘うようにお尻を揺らしていたのだ。
もちろん無意識にそんな態度を取ったのだろうがこちらは関係ない。
俺の性器は二度もイっているというのに再び硬くなっていった。
いや、それが健康な男子なら当然のことである。
目の前にこんな痴態が広がっていて勃起しない方がおかしいのだ。

「……富雪」
「はぁ…はぁ…え?」

俺は荒い息を抑えながら再度富雪に近付いた。
そしてぐいっと魅力的なお尻を掴んで引き寄せる。

「あ、ああっ…また…っ」

精液が腸内に残っているせいか挿入はこれまで以上にスムーズだった。
奥まで突き上げると中の精液が押し出されてぐちゅっと音がする。

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