5

ヤマトはひとり異国の地に降り立った。
行くあてもなく、だからといって国には戻れず立ち往生となった。
当時の大陸は貿易が盛んで、港には西の国へ行く船も見受けられた。
精も根も尽きていた彼は、自暴自棄になって西の国へ向かう船に乗った。
金は持っていなかったから、無断でこっそり忍び込んだ。
数日後、腹が減って倉庫から出てきたところを見つかったが、幸いなことに船長は人の良い紳士で、異様な姿のヤマトに興味を持った。
言葉が通じない中、懸命に事の成り行きを説明すると、哀れみのパンをくれた。
そしてこれから向かう西の国――アルドメリアの言葉を教えてくれた。
乗った船は、他の港を経由しながら行くため、アルドメリアに着くまで数ヶ月かかった。
その間に彼は船の中で国の言葉を覚えた。
船長は、ヤマトの寂しさを紛らわすため、大陸で仕入れた琵琶を無償で譲ってくれた。
数ある品の中で、唯一見覚えがあったのが琵琶だった。
彼は静かな船上で唄った。
悲しさ、悔しさ、憎らしさを歌に乗せて口ずさむと、少しだけ楽になった。
ヤマトの美しい声と、物悲しい歌はすぐに評判となり、夜になると船員たちがこぞって集まり歌声に酔いしれた。
そうして彼は、このアルドメリアの地を踏んだのである。

「誰か……誰かっ……!」

未だに雷鳴を聞くと、当時の出来事が蘇って気が狂いそうになる。
信頼していた兄の裏切り、弟である自分に向けた殺意。
バタバタと死んでいく仲間たち。
己の命をかけて守ってくれた冬月の背中。
必死に連れ出し、船の中で苦しみ悶えて死んだ権次郎の顔。
最も辛いのは、いつも何も出来ない自分だ。
疑いもせず「国のため、民のため、兄のため」と、偉そうなご高説を述べていた恥ずかしい自分。
頭が良いと褒められ、多くの人の声を聞き、人より先を見据えて考えていたと思い込んでいた自分。
兄の凶行すら直前まで気付かなかった。
何も見ていなかった。
無力な自分の姿は、最も見たくない醜い姿だった。
何もかもを思い出して発狂しそうになる。
だから荒れた日は嫌だ。
雷は大嫌いだ。
ヤマトはあの夜、地獄を見た。
それから世界は色を変えた。
どんな素晴らしい景色も灰色がかって見えたし、どんな楽しい話を聞いても心から笑うことはなかった。
背中には突き刺さるような責める目を感じ、耳には四六時中仲間たちの断末魔が聞こえた。
(憎い……)
楽になるためには、兄を憎み全てを彼のせいにするしかなかった。
城にやってきたのだって、国王陛下が弟殺しの異名を持っていたからだ。
弟を襲った男の顔が見たかった。
どんな憎らしい男なのか知りたかった。
しかしいたのは腑抜けた男だけだった。
話に聞いていた冷酷で頭の切れる男はいなかった。
一日中気だるく死んだ目で貴族たちと戯れる愚かな抜け殻のようになっていた。

「大丈夫だ。ここにいる」

その時、自分以外の声がした。
床に俯せ手だけ伸ばしていたから誰か分からない。
確認する勇気もなかった。
その何者かはヤマトの伸ばした手を包み込んだ。
部屋は誰も近づけさせなかったはずだ。
小姓も小間使いも絶対に来るなときつく言っていたはずだ。
途端に背筋が冷たくなる。
異常なまでに鼓動が速まって、頭が真っ白になる。
全身に浸かった恐怖は、出口を失いヤマトの体を覆い尽くした。

「いやだああああああああ」

金切り声があがる。
ヤマトの声だ。
自分があげているとも気付かず、手を振り回し、体を丸めて震えると叫び声をあげた。
(嫌だ。怖い。辛い。苦しい)
まるで泥の中にいるみたいだ。
足を何かに掴まれて水面に出ることも敵わず、苦しいのに肺から酸素がどんどんなくなっていく。
(そうだ。泥の中にいるのは僕だ)
ユニウスでもミシェルでも兄でもエオゼンでもない。
いつだってヤマトは泥の中をもがくように生きていた。
暗闇の中で心を凍らせていた。

「落ち着けっ!ヤマト、ヤマトっ!」

するとヤマトの冷たい体が何かに包まれた。
震え慄く彼にはそれすら恐ろしくて、身を守ろうとひたすら暴れた。
(誰っ、誰……なのっ?)
目を瞑ると雷で光った兄の顔しか浮かばない。
獲物を見つけたように輝いた瞳は欲で濡れ、歪んだ口許はこのあとの弟殺しを楽しむかの余裕があった。
彼の振りかざした刀に迷いや躊躇はない。
幼少のころ、日が暮れるまで共に遊んだ兄弟の肉を容赦なく引き裂き、命を絶つ決意をしている剣だ。
悪夢。
決して逃れることが出来ない現実は、ヤマトを許さず、何度もその修羅場へ連れて行った。
繰り返し兄の顔を見て悄然とし、冬月が斬られるところを見る。
頭は警告のように「動け」と騒ぐのに、手足は動かず黙ってその様子を見ている。
悪夢は終わらない。
どこまでもヤマトを追いかけて捕まえる。

「大丈夫だっ、誰もそなたを傷つけはしない!」
「ひっぅ……ひっぅ、くっ……」
「余がいる。余が必ずヤマトを守る。どんな輩からも守るから、そなたは安心して眠れば良い」

耳元で甘い囁きが聞こえてくる。
何よりも求めていた言葉で、でも、誰にも求められなかった願いだ。

「共にいる。ずっとこうして抱いていてやるから怖がらなくて良い。だから呼吸を楽にしろ」
「ひ……ふ、う……ぅ」
「そうだ。落ち着いて呼吸をしろ。大丈夫、大丈夫だ。ここには怖いものはない。誰もそなたを襲ったりしない。余が傍にいる」

(本当に?……本当に、ずっと傍にいてくれるのか)
決して裏切らず、決して傷つけず、抱いていてくれるのか。
耳心地良い言葉を囁いてくれるのか。
背中を擦る優しい掌を信じて良いのか。

「……許して……あに、うえ……」

自分を抱いているのが誰かも分からぬまま過呼吸に陥っていたヤマトは気を失った。
突然力の抜けた体を抱きとめる誰かは、彼の体を羽衣のように優しく抱き、そっとベッドに横たわらせる。

「許して欲しいのは……きっと兄のほうだ」

涙で溢れたヤマトの顔を手で拭い、もう一度抱きしめる。
せめて起きた時に、この苦痛を忘れていられるよう――願いをこめて。

***

翌日、目が覚めた時、ヤマトは部屋のベッドで眠っていた。
外は曇っていたが雷や雨はやみ、静寂を保っていた。
(あれ……昨日……)
起き上がってすぐは何も思い出せず頭を抱えた。
あの状態になると、どこまでが夢でどこまでが現実か分からなくなる。
辺りを見回したが、特に変わった様子はなく、誰もいなかった。
(確か誰かに抱きしめられて……)
囁かれた言葉は耳の奥に残っている。
ヤマトにとって救いのような言葉だった。
一瞬でも楽になれる言葉だった。
彼はかぶりを振る。
そんな都合の良いことばかり耳に入ってくるわけない。
助けて――と、伸ばした手を包み込んでくれる手なんてない。
だってヤマトが醜態を見せたくなくて、天気が荒れる時は他人を遠ざけるのだ。
助けを乞いながら恐れと恥じらいに拒絶している。
その矛盾に薄ら笑みがこぼれて空しい気持ちになった。
震えた手を見下ろし、ゆるゆると動かす。
(僕は永遠にひとりだ)
望むだけ無駄である。
だから考えないのが一番だった。

昨晩の夕食をとっていなかったヤマトは、腹をすかして食堂に行った。
そこにはユニウスがひとり食事をしていた。
王宮で食べるような豪華な朝食はなく、パンと卵、スープだけだった。

「やぁ、おはよう」
「……っ、お、おはようございます」

一瞬どきりとしたのは、昨晩の声がユニウスに重なって聞こえたからだ。
ヤマトはうろたえるように視線を外して、テーブルの隅に腰掛けた。
城から連れてきた数少ない小間使いは、彼の席にユニウスと同じ朝食を出す。
いつもと同じ静かな食卓だった。
ユニウスは食べ終えると、さっさと自室へ戻っていった。
これもいつもと同じだった。
(やっぱりあれは夢だったんだ)
夢は願望が表れるという。
ヤマトは苦しみすぎて幻覚を見たのだ。
自分を抱きしめ、大丈夫と包み込んでくれる温かい手を作り上げてしまったのだ。

それから二週間はあっという間にすぎて、気付けば明日には王宮に戻る日になっていた。
しかしその日、ユニウスは熱を出して倒れた。
だから城へ帰るのは先延ばしにされた。

「陛下、何か望みはございましょうか」
「何もないよ。しいていうならそなたが傍にいればいいかな」
「またそのようなことを……」

さすがのヤマトも心配で見舞いに参ったのに、茶化されて終わった。
本当に肚の見せぬ男だ。
来ただけ無駄だったと早々に部屋へ戻ろうとしたら腕を掴まれた。
振り返ると、ユニウスは、

「……本当に甘えてもいいのなら、ヤマトの作ったスープが飲みたい」
「は?」
「それを飲んだらきっとすぐに元気になる。だから……」

さすがの陛下といえども病人で、普段より気弱になっているのか大人しかった。

「そのような物でよろしいのですか」
「ああ」
「味は保証しませんからね」
「大丈夫」

ヤマトは約束すると部屋を出て台所へ向かった。
(はぁ、だめだ)
やはりあの時の声がユニウスに聞こえて、今までのように突っぱねられない。
だけどもしあの時本当に彼がいたなら何か言ってくるはずだ。
茶化して面白そうに顔色を覗き込んでくるはずだ。
彼はそういう男だから。
そうして他人を馬鹿にしているのだ。

「でーきた」

ヤマトは小間使いに手伝ってもらいながらじゃがいものスープを作った。
昔、国ではよく自分のご飯を作っていたが、ここには当時使っていた調味料はない。
仕方がなくあるものを使って味付けをした。
苦心しながらどうにか食べられるスープを作ったつもりだ。

「陛下もきっと喜ばれますわ」
「そう?」

お盆に乗せていくが、喜んだ顔が想像出来ない。

「ま、さっさと風邪を治してもらわないと、みんなの迷惑になるからね」
「いえ、わ、わたくしどもは……決してそのようなこと」
「大体なんで出発直前に熱を出すんだか。間の悪いというか、面倒なやつだ」

国中で、ユニウスのことをここまで言えるのはヤマトくらいかもしれない。
小間使いは大慌てで他の誰かが聞いていないか確認すると、

「さ、されど、陛下はヤマト様がご心配で……」

と、呟いたところで「しまった」とまごつき目を泳がせた。

「どういうこと……?」

その言葉を見逃すはずもないヤマトは、お盆を持ったまま小間使いに詰め寄る。
その迫力たるや言葉に出来ぬほどで、彼女はありのままを話さざるを得なくなった。

「陛下はヤマト様がご心配で、毎晩ヤマト様のお部屋の前で布団ひとつに包まり夜を明かしていたのでございます。朝方、ヤマト様が起きられる前に自室に戻り、着替えたあと朝食にいらっしゃいました」
「なんで、心配なんか……」
「天気が荒れた夜、ヤマト様は誰も近寄るなと仰いました。しかし陛下は心配で隣の部屋にいたのでございます。その時何があったかは存じませんが、以後、毎晩部屋の前に……。わたくしが見ていますと申し上げたのですが、自分が見ていると聞かず」
「…………」
「せめて隣の部屋にベッドをご用意しますと勧めたのですが、そこから動きませんで……この寒さに風邪を引かれたのでしょう」

ヤマトは彼女の話に、スープも忘れてユニウスのもとへ向かった。
夢だと思っていたことは全て現実だった。
あの温もり、あの言葉は、ヤマトの想像の産物ではなかった。
勢いに任せてドアを開けると、横になりながら本を読んでいた彼が驚いてこちらを見る。

「どういうことです」
「は?」
「やっぱり陛下はあの夜、私の部屋にいたのでしょう。私の醜い姿を見たのでしょうっ!」

ベッドサイドまで来たヤマトは、親の敵を見るようにユニウスを睨み、胸元を掴んだ。

「どうして、黙って……っ、何もなかった振りをしたのです!」
「…………」
「影で笑っておられたのですか。異国の気が狂った男を嘲笑っていたのですか!」

悔しい。
最も弱みを見せてならぬ男に、一番見られたくない姿を晒してしまった。
死より重い屈辱は耐え難い苦痛で、胸が潰れそうなくらい痛かった。
零れそうな涙を必死に堪える。
黙っていたユニウスは、胸倉を掴むヤマトの手を包み込んだ。
熱があるせいだろう、ひどく熱い手だった。

「誰がそなたを嘲笑うんだい?」
「…………っ」
「あの時言ったことは全て本心だ。そなたは余が守る。どんな苦しみだろうと受け止める」

ユニウスは手を伸ばすと、あの時と同じようにヤマトを抱きしめた。
落ち着かせようと背中を撫でて、

「安心しなさい。余は何があってもヤマトの味方だ。どんなに醜い姿だろうとこうして抱きしめていてやる」
「ど……してっ、そんなこと言うのです……私は、……」
「何度も申しているだろう。そなたは余のものだ。ならば、余はそなたのものだ」
「……っ……」
「泣きたい時は泣いていい、叫びたい時は叫べばいい。余が出来ることならなんでもしてやる。――いや、そなたのためにしてやりたいのだ」

ユニウスは知らない間に零れていたヤマトの涙を手で拭った。

「意味、分かりませんっ……」

ヤマトは口ではそう言うが拒絶できなかった。
思いつめた漆黒の瞳は再び潤んで大きな涙の粒を溜める。
その様子に、ユニウスは促すよう彼の腰を抱き寄せて胸元に押し付けた。
一瞬戸惑ったヤマトは咄嗟に逃げようとするが、引き戻されて胸に納まる。
他人の温もりに慣れず狼狽したが、耳に響く鼓動の音は琴線に触れた。
段々我慢が出来なくなると、強張っていた体の力が抜けて情意が込み上げてくる。
それほどユニウスの抱擁は気遣いに満ちていたのだ。
こんな風に優しく抱きしめてもらったことはない。
頑なに握り締めていた手をほどき、恐る恐るユニウスの衣服を掴んでみる。
すると抱きしめる力が強くなった気がした。
それは、そうしていて良いという返事のような気がして、ヤマトの気が緩む。
同時に抑えていた感情が溢れてもう少しだけ甘えたくなった。
縋りつくように身を寄せると静かに肩を震わす。
涙は一度溢れてしまうと止めることも難しく、次から次へと零れてしまった。
森閑とした室内に彼の拙い泣き声が木霊する。

「ひっぅ、っぅ……うぅっ……」

漏れた嗚咽に引きつるような声は、とても子供の泣き方とは思えず痛々しいばかりだった。
あの地獄の夜から今までの分まで泣きはらすように、涙は枯れず柔らかい頬を濡らした。
ユニウスは決して馬鹿にしなかった。
ただ抱きしめ、背中を擦ってくれた。
熱のせいで人肌より温かな体は心地良くてこらえることが出来なかった。
声が、温もりが、指先が優しいから甘えたくなる。
ヤマトはまだ十代の子供だ。
本当は誰かの腕の中で傷を癒したかっただろう。
同情でもいい、慈愛に満ちた声で慰められたかっただろう。
過酷な人生を歩みざるを得なかった悲しみを受け止めて欲しかっただろう。
泣きじゃくるヤマトは妖艶な吟遊詩人ではなく、どこにでもいるただの少年だった。
無防備な姿を晒し、求めるように服の裾を掴んでいる。
身を預けるよう肩に置かれた頭は、ユニウスを頼っているようで悪い気分ではなかった。
落ち着いたころ、ヤマトはユニウスに恥すべき過去を洗いざらい話した。
弟殺しのユニウスに興味を抱いて城に入ったことまで話した。
隠すものがなくなるほど話し終えたころには、ヤマトを覆っていた棘は消えてなくなっていた。
そこには純粋で愛らしい少年が、体を丸めてユニウスに寄り添っていた。

「僕は……いつまで経っても幼稚なんです。無力な子供なんです。ミシェルのことだって……」

「大人びた自分を作らなくていい」――と、私呼びをやめさせたら、より幼く見えた気がした。
彼は背伸びをすることで自らを守り、他人を遠ざけていたのだ。

「余も同じだ。ヤマトと一緒なんだよ」

ヤマトが披瀝し終えると、今度はユニウスが話をした。
それは彼がずっと奥深くに封印していた闇だった。

「余は正室の子ではなかった。側室だが、貴族の娘ではなく娼婦だった。父上は偶然出会った母を気に入り城に手引きした。娼婦では側室に出来ぬと、どこぞの侯爵と強引に結婚させ侯爵夫人の名を与えた。用済みになった侯爵は国を追われて消えたが、母は侯爵夫人として城へ入り、父上の愛人として蜜の時をすごした」
「…………」
「それからしばらくして侯爵と離婚が成立すると側室入りした。その後すぐ余を孕み、彼女は正室以上の力を得た」

最も后に求められるのは世継ぎの存在である。
例え正室といえども、子が出来ぬば后として認められず地位は低い。
それを理由に離婚するのもよくある話だった。
しかしユニウスの母は、彼を産んでしばらくしたあと亡くなってしまった。
病死と判断されたが、王宮では何があるか分からない。
ユニウスはそれまで王宮暮らしだったが、すぐにこの北の寂れた城へ連れて行かれた。
なぜなら正室がご懐妊されたからだ。
彼女は、生前のユニウス母と険悪な仲で、王太子であるユニウスを何より疎ましく思っていた。
その後の冷酷な扱いは目を当てられない。
これだけの寂しい城で、質素な生活、城の行事には呼んでもらえず、父親にも会えずに悲しい毎日を送っていた。
そのころ王宮ではシリウス、クラウスと生まれ、王族は安泰だと幸せに満ちていた。
影の存在に押し込められたユニウスは認められたい一身で勉強に励んだ。
本来ならば王位継承権第一位は自分である。
しかし生まれを知っている周囲の人間は、みんな彼を笑い者にし影で蔑んだ。
娼婦の子、あばずれの子、卑しい子。
同じ王の血を引いているのに、ユニウスだけ扱いは違い、常に惨めな思いをしいられた。
目に余る差別は、どれほど少年の心を傷つけたのだろう。
この静かな城で、紛らわすことの出来ない寂しさと戦っていた。
憂愁に閉ざされ、寂寥感で満ちた心は脆く、次第に変容していく。
彼は忍び寄る闇に抗えなかった。
悪魔の囁きから逃れられなかった。

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